2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「彼は私小説の極北と称されました」

初めて嘉村礒多のことを知ったのは、なんてことないローカル番組だった。 確か10年くらい前、山口県にゆかりのある作家を紹介する短い番組。「彼は私小説の極北と称されました」アナウンスがそう言っていたことがやけに耳に残った。 その後、礒多の講談社…

ドヤ顔で自慢しよう『LET IT GREET』

『LET IT GREET』 日谷氏の大学時代後半とその後の埼玉生活から紡ぎ出された作品群。 ちなみに改訂前と改訂後では納められている作品が違う。シングルを3種類リリースしてカップリングが異なります的なあくどい商法をしようというのではない。 問題は改訂版…

神った『SIDEWALKERS』ポリフォニー

『SIDEWALKERS(サイドウォーカーズ)』 かなりエグい5作品が収められている。 過激な内容でも全然、大丈夫、むしろ大好物という方にオススメ。 『The Night with Love and Laughter』 この作品は数あるラウシズム作品の中でも特に異質なので、先入観の全く…

あなたの文学には何が必須?『Brilliant Failure』

「Brilliant Failure(ブリリアント フェイラー)」 私が最初に触れたラウシズム作品である。 後書きにて著者自身のエピソードは語られているので、きちんと最後まで読むとすっきりできる一冊。 タイトルが全部英語なのが、私泣かせだが、どうにか乗り越えた…

文学という木を支える 文学フリマ金沢2017

金沢に行く木を支えるように木に寄り添うように 金沢に行ったことについて、もう少し早く何か書く予定だった。しかし、まあ、4月というのは色々と忙しい。これも毎年のことだからいい加減に慣れようと思うのだけれど。 前日の昼頃に金沢に到着。 駅の写真を…

『Fragments』by Lousism「文学とエンタメの狭間を揺蕩う」

純文学サークルLousism(ラウシズム)と初めて会ったのはいつだったか?何回目かの文フリ大阪でたまたま隣のブースになった。あのときの文学フリマ大阪は楽しかったなぁ(遠い目)。 Lousism(ラウシズム)は日谷秋三による個人文芸サークルである。どうでも…