2年ぶりの文学フリマ広島
朝、思ったより早く目が覚めた。
昨夜遅くまであれこれと準備していたが起きることができた。
(長生きすぎだろ)
最寄りの駅まで車で行き、広島まで1時間と少し。
電車も久しぶりだ。読書が捗る。
アンドレイ・クルコフ著『ウクライナ日記』。
ウクライナの作家による2013年11月21日からの「ユーロマイダン」の日々を綴る。
この頃からすでにかなり悲惨であったことが伺える。
路面電車もご無沙汰。
千円札を両替してから、PASMO使えることに気がつく。チャージはできない。
そういえば最寄りの駅(田舎)でもPASMO使えたな(やっと)。
広島に来たという事実を路面電車の揺れが教えてくれる。
若干、西展示館に行ったりしつつ、広島産業会館 東展示館に到着。
(文学フリマのホームページの写真と建物の色が違うやないかい)
体温検査しcocoaを見せて、出店者シールをもらい入場。準備に取り掛かる。
準備中に見本誌に貼る紙をハサミで切っているとき気が付いたのだが、今回は、既刊の見本誌も全て回収すると書いてあってハサミを止める。
マジ? え、それはちょっときついなと、思いつつ作業を進め、見本誌コーナーに持っていく。
スタッフに確認すると回収しても良いとのことだったのでホッとした。
出店者側としては初参加の知り合い「創林舎」は、単価の高い本を取り扱っており、回収されるのが嫌なので見本誌を準備しなかったとのこと。
この件については夜にTwitterの#文学フリマスペースでも質問した。
どうやら「不特定多数が触れたものを返却するなんてダメだ」という意見もあるようで。
なんにせよ、コロナが全て悪いのである。
やはり、いくつかキャンセルしたっぽいブースもありつつ、開場がアナウンスされときは皆大きな拍手で祝った。
2年前の文学フリマのときは来場者としての参加だった(3年前は出店者)。
コロナが流行り始め、イベントを控えるムードが漂いつつあるなか、キャンセルで閑散としてしまった会場を見て、次は出店しようと思ってから2年である。
今回、我がヴィリジアン・ヴィガンはいつもの嘉村礒多選集と、私の詩集、そして、文芸同人情報誌「文芸ごきんじょ山口版2021」を委託販売した。
結果は、ぶっちゃけ良いとは言えない内容だったが「文芸ごきんじょ」はそこそこ売れたのでよかった。
嘉村礒多に関するフリーペーパーも配布できたので、本を手に取らなくても気になった人は図書館で探すだろう。
なんにせよ、作戦を練り直す必要があるなぁ、と考えながらブースを「文芸ごきんじょ」編集者に預けて昼食を摂り、来場者として存分に楽しんだ。
というか、多分買いすぎた。
読むかどうかはまた別の話である。
文学フリマで購入した本が家にあるということでしか、満たせない何かがあるのだ。
私は、山口県からの参加だったが、たまたまお隣のブース「リアス式海岸」も山口県からだったようで「文芸ごきんじょ」編集者とめっちゃ仲良くなってた。
あと「リアス式海岸」ブースに来たお客さんが倒れて大変だったんですよ、と言われてびっくりした。
「その人に中西さんのジャケットがかかった椅子を使ったんで、椅子を交換して新しくなってます」
私にはパイプ椅子が新しい別の物になったのかどうか判別できなかったが、この件から得られる教訓は、出店者も来場者も前日はよく食べよく眠ることである。ギリギリまで準備をして嘉村礒多を長生きさせたりしてはいけないのだ。
終了する際もまた会場を大きな、そして長い拍手がみたした。2年分の拍手である。
ブースの撤収と会場の片付けを手伝ってから離脱。
知人と3人でささやかな打ち上げ。
2年前にも同じお好み焼き屋で食べた。あのときは客が多くて入店できたのはラッキーだったが今はすんなり入れた。
帰りの電車も『ウクライナ日記』。
当時のウクライナの日常と、今のウクライナの日常と、いま日本に居る私の日常の比較はあまり意味がないが、それぞれを知っているということはおそらく重要なことだ。
家に帰ってからすぐ風呂に入り、荷物を片付ながら、Twitterの文学フリマスペースを聞きつつ、発言しつつ、つぶやきつつ。
今後の文学フリマのありかたなどについて、主に文学フリマスタッフ側からさまざまな意見があった。
結論だけ言うと、見本誌コーナーと、懇親会は今後の文学フリマに必要である。
不要な出店者は見本誌を置かなければよいし、懇親会には参加しなければよい。
また、文学フリマの理念についてや機能の発展についてもあれこれ発言があったが、それは青い鳥の餌にしかならない(*)ので割愛しておく。
*「青い鳥(Twitter)の餌にしかならない」はどれだけ議論しても終わりのないテーマについて永遠に話したり(書いたり)し続けることを表す私が作った諺。類似語に「焼き鳥にして食うぞ」などがある(今なにしてる? に対するスラング)
文学フリマ広島が無事に開催できたことに感謝。
スタッフ、出店者、来場者の皆さまおつかれさまでした。
ありがとうございました。