鯉のぼりとネタバレ
今日は仁保地域交流センターにて4月の「礒多を読む会」。
ゴールデンウィークをなめていました。
高速道路が想像以上に混んでいて遅れる。
金沢に行ったことや島田清次郎とか色々なことを報告。
代表作である『業苦』を少しづつ読み進めている。
今日読んだところはまさに礒多の核ともいえる箇所で感想がけっこう盛り上がった。
妻の過去を知ってからこの方、圭一郎の頭にこびりついて須臾(しゅゆ)も離れないものは「処女」を知らないということであった。村に居ても東京に居ても束の間もそれが忘れられなかった。往来で、電車の中で異性を見るたびにまず心に映るも
のは容貌の如何(いかん)ではなくて、処女だろうか? 処女であるまいか? ということであった。あわよくば、それは奇跡的にでも闇に咲く女の中にそうした者を探し当てようとあちこちの魔窟(まくつ)を毎夜のようにほっつき歩いたこともあった。たとえ、乞食(こじき)の子であってもかまうまい。たとえ獄衣(ごくい)を身にまとうような恥ずかしめを受けようと、レイプしてもとまでしばしば思い詰めるのだった。 (嘉村礒多『業苦』より)
まあこの部分を読んで出てくる感想は
こいつやべぇ奴やないか
ということに尽きるのだが、この行き過ぎちゃってる感じがたまらくもある。
私小説の極北感ぱねぇな。
『業苦』の朗読をしている最中に、なぜか虫取り網を持った子供たちが仁保地域交流センターにやってくるというハプニングもありつつ。
子供には聞かせられん部分だから!
100%教科書に採用されないから!
されたら凄いわ。
感想や意見のなかに「いいわけ」という言葉がでて、たしかに文学、とくに私小説なんて自分が変になっちまった理由を、経緯を、いいわけを連ねたものかもしれないと思ったり。
4月の礒多を読む会
— ヴィリジアン@文フリ東京ケ-50 (@Naka24Viridian) 2019年4月27日
終了。
鯉のぼり🎏の季節じゃのう。 pic.twitter.com/qlqkSlPox7
外では鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでおります。
写真を撮る家族連れが沢山いた。
そして、映画館で『劇場版 響けユーフォニアム』を観る。
良かったとしか言いようがない。
— ヴィリジアン@文フリ東京ケ-50 (@Naka24Viridian) 2019年4月27日
現場からは以上です。#響けユーフォニアム pic.twitter.com/jWoQibuxRT
あんまりネタバレしたくないのだが、内容に触れずに感想を述べることは不可能ですね。
ネタバレについてはゲーム会社サイバーコネクトツー代表の松山洋氏の
「ネタバレされたー! とか言ってんじゃねえよ、もしその作品が本当に好きなら公開初日の一回目を観に行け」
というぐうの音も出ない正論が大好きです。
『ユーフォ』についてはまぁ、テレビシリーズと『リズの青い鳥』を観て良かったなと思った人は絶対に観にいくべきでしょう。
音的にも映画館で観るべき作品です。
作中でキャラクター達はそれぞれいい音を出すために頑張るのですが、自分もこう伝えたい抽象的な感覚をうまくすくえる言葉を探している感じがあって、それはやっぱり簡単にできるもんじゃないなという当たり前のことを改めて思い知らされました。
……だめだな、内容に触れないと凄くふわっとした感想になるな。
まあ、「空の下の朗読会」頑張ろうと思います。
朗読する詩の内容も決まりました。
明日は湯田温泉に向かいます。
明後日は中原中也生誕祭です。
雨みたいなのでちょっと心配。
というか、4月29日に雨って10年ぶりとかなのでは?
企画展もじっくりみたい。